雑記

 前回のタイトルで歴史の反復論を取り上げたが、今回の選挙についても、過去のなにがしかの歴史が反復しているように思える。ただ、私の抽象力が足りないのか、それが何の反復なのか言い当てることができない。芥川龍之介ではないが、漠然とした不安を感じる。理念を軽視し、具体的なものだけが全てであるとする傲慢な世界の到来。連立方程式がスムーズな解を与え、様々な権力が効率的に動く世界。しかし、それは世界の一部でしかない。個人の求める効率性の達成は多様性を実現しない。
 知性の声はたとえ小さくとも、受け入れられるまで止むことがないといったのは、フロイトだったか、ハイデガーだったか。
 いずれにせよ、知性に関して批評家に頼れるという考えを批判しなければならない。自ら読書をしなければならない。

 これからアラン・ルノー、リュック・フェリーについてもっと勉強する必要がある。勿論、彼らを支持するためにではなく、彼らを批判するために。