きゃりーぱみゅぱみゅとゲームミュージック

 きゃりーぱみゅぱみゅの露出が増えている。まず、この完全に無国籍でナンセンスな芸名でのデヴューに喜びと反省の入り交じった複雑な感想がある。昔からこんなポスト・マイケル・ジャクソンなポップミュージシャンに登場して欲しいと思っていたが、実際に登場すると「こんなにデタラメでいいのか?」と妙にデヴューを後悔するような...。この複雑な多義性が彼女の最大のチャームポイントだろう。とにかく、彼女のデヴューを喜んでいる。

 同時に彼女の音楽だ。曲を書いている中田ヤスタカはテクノ・ダンス・ミュージックの作曲家だが、きゃりーの曲には「頻繁に」黄金時代のゲームミュージックのフレーズが登場する。世界観まで含めてコンピューター・エンタテインメントの影響を受けた人間が遂にメジャーに現れた。このことをどのくらいの人間が指摘しているだろう?
 私が興味があるのは「指摘するか否か」である。なぜならゲーム・ミュージックは音楽業界の日陰者であり、その歴史を知っていることそのものがマイナー・コミュニティの成員であることをカミング・アウトすることになるからだ。我々はゲーム音楽なんて音楽じゃないといわれる中で秘密結社のメンバーのようにゲーム音楽を聞き続けてきた。そんな被差別的な自己表明を誰がするだろう?遂に日の目を見るときが来たのだ、などといえるだろうか?でも、きゃりーとゲームミュージックの関係性は明白だ。腕に自信のあるブロガーは勇気をもって指摘してほしい。

 
 音色の問題なんだよなぁ。こんなしょうもないことに気を取られる俺って...。誰かも書いてるけど、この音色はインパクトあるけど飽きやすいという欠点がある。そんなのどれもいっしょだって?そりゃそうだが...。でも、これを最新流行として採用するんだから、勇気あるよなぁ。