エゴイズムと強化人間

 法律家にはある特徴がある。それは自我が異常に強いことだ。異常というのは、それが日常的コミュニケーションを拒絶する、「生と死の選択」を対話者に強要するからだ。彼らには他者や市民概念がなく、絶対に相手の話に耳を傾けない。彼らは戦士として目的遂行のために一つの関心以外を排除している。

 このことを考える際に助けになるのが、機動戦士ガンダムシリーズに出てくる「強化人間」という概念である。彼らは戦闘行為に意識を集中させる特殊な心理的訓練を受けることで優秀な戦闘マシーンになると同時に社会性を喪失して、悲惨な最後を遂げる。シリーズの「Zガンダム」から登場するが、「F91」に登場する敵役のカロッゾ・ロナのセリフが最も分かりやすくその概念を説明してくれる。彼は、自分は「目的遂行のためにエゴを強化した」というのだ。私には法曹サークルの人間が殆ど強化人間にしか見えない。彼らは自らの性欲以外の感覚を関知できず、頭を働かせることができない。その動物性が人をうんざりさせる。