法律家の正義

 要するに法科大学院、司法試験予備校には教育についての正義がないのだ。法律家に訴訟以外のことで正義を求めてはならない。彼らは法廷の外では無知で無力な職人にすぎない。職人の正義観念には普遍性がない。だから、彼ら自身はなすべきことをなしているつもりでも、学生にはなんの利益ももたらされない。溝は永遠に埋まらない。法律家に対価を支払っても法律を知ることはできない。彼らは訴訟に勝つことしか考えられず、法律を他者に伝えることなど考えたことがないからだ。教育に必要なのは教員だが、彼らはそのことに永遠に気づかない。「洞窟のイドラ」の住人である。