戦士の弊害

 必要なのはコンプライアンスでもリーガルマインドでもなく好戦性である。利潤最大化ではなく、虚栄心の極大化、契約自由と過失責任ではなく、所有権絶対と信義則である。そして、好戦性を支えるのは多情である。つまり、法律家自身は法律を守らない。ただ運用するだけである。倫理的であってはならず、戦士に対抗するためには、こちらも闘争心を喚起しなければならない。倫理についても民主的手続きについても考えていない。ただ、法文を運用するだけ。そして、成文化された民主的手続きを経たルールではなく、法の肝は「実効支配力」だと思っている節がある。しかし、実効支配は法の空白状態で登場する概念であり、法の支配が成立していれば問題にならない。これは学生についても同じである。教員がダメならば学生に聞いてみようという話になるが、学生は戦士のコピーであって、残念ながらものを教える能力はない。