ブラジル対ドイツ

 スペイン対オランダ戦に続いて大量得点差のゲームになった。
 前評判が高く最もスペクタキュラー(見ていて楽しい)だといわれた両チームが大敗を喫したのは、ハイ・ポゼッションで終始攻撃的なゲームスタイルが守備に根本的な欠陥を抱えている証明だろう。アーセナルバルセロナもこういう負け方をする。要するに観客を魅了する攻撃的なスタイルはハイリスク・ハイリターンなのだ。
 短時間で大量点が入っているから、ブラジル守備陣は典型的なエアポケットに入ったと見ていい(日本の点のとられ方もこれである)。同時に、6分間で4得点を挙げたドイツの決定力の高さには苦笑するほかない。あまりにもユーモアがないという嘆きが聞かれるが、むしろ、ブラジルの守備の欠陥をあざ笑う無慈悲なゴールラッシュにイロニーを見るべきではないか。機械のように同じパターンでゴールを挙げるドイツの得点に私は思わず笑ってしまった。

 決勝はドイツ対オランダあるいはドイツ対アルゼンチンで、どちらも近過去にあったカードの再現である。かつて「最後にドイツが勝つ」といったのはリネカーだが今大会もリネカーの予言が成就するのだろうか?アルゼンチンにはマラドーナの再来といわれるメッシがいる。オランダのファン・ペルシスナイデルはクライフになれるか?いずれにせよ決勝が面白い試合になることを期待させる。